はじめに
序文 登場人物
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ルール MAP
もののけ忌憚
 N市で起きた不思議な事件 case.2

 第一幕
 

僕たちは出会ってしまった。
出会わなければ、知らずにいられたのだろうか。
どこかこそばゆい、幸福という名の怠惰な時を。
 
知っていても、同じく僕らは出会いを求めるのだろうか。
答える声はない。
 
あの日あの時、
そう、
 
風の吹く日にすべては始まった―。
 

○語り部
 それではまず始める前に、今回のセッションでの幸運を決めてもらいましょう。
 判定は2d。サイコロを2つ振った出目の合計です。

○プレイヤーA(以後、圭兜)
 確かこれを消費すると、判定にボーナスが付くんだよな?

○語り部
 そうです。
 また、重傷が0になるとダメージは幸運に移行し、幸運が−1以下になると死亡してしまうため、大変重要な値となります。
 ちなみにこの幸運はセッションの度に判定し直して決定します。

○圭兜
 ? ゾロ目が出た場合はどうするんだ?

○語り部
 通常の判定と同様に、1のゾロ目を出してしまったのなら、必ず0。
 それ以外のゾロ目が出たのなら、1つ振り足せるよ。その出目も同じなら、もう1つと。
 永遠に続く可能性はある(笑)。

○プレイヤーB(以後、蓮華)
 (コロコロ)いやーん。ゾロわなかった。でも高い。11。

○プレイヤーC(以後、鬼村)
 (コロコロ)うぬ!? ……4しかねえよ。

○圭兜
 ゾロえ! ゾロえ!(コロコロ)……9です。

○語り部
 11、9、4か。それが今回のセッションでの君達の幸運となる。
 ま、何はともあれ、始めますか。

○一同
 おーう!

○語り部
 まず、君達が暮らしている町について語らねばなるまい。
 君達が暮らしている町の名前は、『N市』というどこにでもありそうで、どこにもない町です。

○鬼村
 なんだそりゃ(笑)。

○語り部
 へへ。まあ、人口80万人近くはいるんだろうけどね。
 政令指定都市にはなってないので有名ではない。
 町自体は区画整理が一応はされているが、雑多な町という印象を受ける。
 都会でもなく、田舎でもない町といった感じかな?

○圭兜
 歯切れが悪いな。

○語り部
 ……何でも起きるからね。
 第一弾は純粋な推理物だったし、今回はルールを渡した時点で気づいていると思うけど、妖怪物だし(笑)。

○蓮華
 雑多な町としか言えないのね(笑)。

○語り部
 そう。でね。君達は今年の春に、この『N市』にある『鼎学園』という高校に入学するのだ。
 物語はまさに入学式から始まるのだが、それまでの経過をまず説明しなきゃな。

○一同
 うんうん。

○語り部
 ええと、『閑護蓮華』さん。

○蓮華
 は〜い。

○語り部
 君は、『閑護神社』という『N市』にある神社の後継者です。
 将来、神主になるわけだ。

○蓮華
 はい。

○語り部
 君のお父さんでもある現在の神主の名前は、『閑護柾哉』、46歳です。
 神主の座にあるものの、左腕と右目がないです。

○蓮華
 ……。

○語り部
 そんなわけで、近々君が正式に神主の座を継ぐことになっている。
 そんな君には、兄弟のように共に育った『磨綺圭兜』という幼馴染がいる。

○蓮華
 はい。

○語り部
 でね。この『閑護神社』っていうのが、代々この『N市』を闇の者どもから守ってきた陰陽道の流れを組む神社なのだ。
 ……真言とかあるから色々混じっているんだけどね(笑)。

○蓮華
 うん(笑)。

○語り部
 でね。圭兜君なんだけど、連れて来られたのは大体5歳くらいの時でしょうか。

○蓮華
 はい。

○語り部
 でね、圭兜君。

○圭兜
 ういうい。

○語り部
 君は現在希少価値のある……。

○圭兜
 希少価値って(笑)。

○語り部
 天狗の血を色濃く受け継ぐ者です。

○圭兜
 サラブレットだ。

○語り部
 混じり者ですね(笑)。

○蓮華
 サラブレットって純血だもんね(笑)。

○語り部
 でね、君はあまり昔の記憶がない。特に5歳前の記憶が。
 残っている記憶は、お父さんと一緒に逃げていることだけ。

○圭兜
 何で逃げているんだ?

○語り部
 さあね。そんなある日、お父さんは仕事に行くと言って帰らず、代わりに来たのが蓮華の父である柾哉というわけだ。

○圭兜
 なるほど。

○語り部
 それから一緒に暮らすようになったの。
 でね。君達2人の役目なんだが……。

○蓮華
 悪い……。

○圭兜
 妖怪退治。

○語り部
 あ・た・り。
 正式には蓮華なんだけど、圭兜はその補佐という立場にあるのだ。

○圭兜
 なるほど。

○語り部
 そんな……へんてこな人生を送ってきたわけだ(笑)。
 で、一方『鬼村晶』くん。

○鬼村
 おう。

○語り部
 君は、16歳、ダブりです(笑)。
 君もまた希少価値のある、鬼神の血を受け継ぐ者です。

○鬼村
 ふむ。

○語り部
 君は昔、山深い村で、じじいとかばばあに囲まれて暮らしていました。

○鬼村
 じじいとか、ばばあとか?

○語り部
 そう(笑)。鬼村一族の中で暮らしていたわけだ。
 でね。君は父子家庭なんだが、ある日、死んだと聞かされていた母親がやって来て、一緒に暮らさないかと。

○鬼村
 着いていく。

○語り部
 はい(笑)。
 で、やって来たのがこの『N市』。しかしお母さんは、病死してしまうのだ。

○鬼村
 (笑)。

○語り部
 お母さんは生命保険に入っており、多額の保険料を君に残している。
 君は現在そのお金で暮らしているのだ。
 君はじいい、ばばあばかりの辛気臭い村には。

○鬼村
 帰りたくない。

○語り部
 (笑)。
 で、お母さんの『鼎学園』に入学しなさいという遺言もあって、入学したわけです。

○鬼村
 なるほど。そういうことね。

○語り部
 ……それと、蓮華さんと圭兜くんには、もう一人、『天童寺源夜斎』という妖しげな70歳になるじじいの知り合いがいる。
 彼は『天童屋』という妖しげな骨董品屋を経営している柾哉の知人で、ほとんどおじいちゃんと孫といった関係です。

○蓮華
 なるほど、『てんどんや』さんですね。

○語り部
 『てんどうや』です(笑)。

○語り部
 まあ、こんな感じかな?
 で、入学式が始まるわけなんですが、圭兜くん。

○圭兜
 はい。

○語り部
 君は、源夜斎に入学祝があるので、学校が終わったら『天童屋』に来るように言われています。

○圭兜
 なんだ?



シーン1 鼎学園入学式

○語り部
 で、入学式。4月4日。
 君達はピカピカの体育館に、ピカピカの制服で入学式を受けるのですが、早速だけど『2d+心』で判定してもらいましょうか。

○一同
 早速だ(笑)。

○圭兜
 (コロコロ)高い! 出目11と心3で14か。

○蓮華
 (コロコロ)ありゃ、12。

○鬼村
 (コロコロ)心……と2dを足す。9。

○語り部
 10以上の人だけ成功。つまり、鬼村くん以外だね。
 君達は『1−A』に編入が決まったんですが、圭兜くんと蓮華さんは同じクラスに混じり者がいることに気がつく。

○圭兜
 混じり者?

○蓮華
 ねえねえ。なんか、貴方の同類がいるみたい。
 コソコソ。

○圭兜
 うるさいな。
 混じり者かぁ。

○語り部
 その気配を探ると……鬼村くんはどういう格好しているの?

○鬼村
 うーん。私服OKなの?

○語り部
 入学式は一応制服です。その他、特別な行事の時以外は私服OKです。

○鬼村
 制服なんて物はないですから。

○蓮華
 いきなり私服なの?

○鬼村
 黒尽くめの私服です。

○蓮華
 いきなり、妖しいわね。

○圭兜
 彼なんですか?

○語り部
 彼です。

○圭兜
 ……妖しい(笑)。

○鬼村
 おもむろに煙草を落とす。

○蓮華
 やばいよ、あの人(笑)。



 今行った判定を、『行為判定』と呼びます。
 物事が成功したか失敗したかを判定するもので、心技体のいずれか1つの能力値と、2d(サイコロ2個)の合計で結果を判定します。
 今回は知覚系の判定だったため、『心』を用い、難易度は普通であったため『10以上』設定しました。
 結果、成功したのは蓮華さんと圭兜くんで、鬼村くんの存在を感知することができました。
 一方の鬼村くんは失敗したため、2人には気づかなかったのです。



○語り部
 で、そんなこんなで入学式も終わり、君達は1−Aのクラスにやって来る。

○鬼村
 早く吸いたいなぁ(煙草を)。

○語り部
 全員同級生ですね。今、席はあいうえお順です。
 で、しばらくすると、先生が入ってくる。
『こ、こ、ここのクラスを担任することになりました、田辺幸一郎です』(一同爆笑)

○鬼村
 幸一郎さんね。

○語り部
 23歳です。

○蓮華
 新任だ。

○語り部
『よ、よ、よろしく』
 黒板に書く文字は小さい(笑)。
『早速ですが、席替えでもしましょうか』

○蓮華
 はやい(笑)。

○語り部
『みんなもその方が良いだろう? あいうえお順じゃあ、つまらないからね』

○圭兜
 はい!

○語り部
『ええと、君は……』

○圭兜
 僕、磨綺圭兜です。

○語り部
 磨綺圭兜くんね。

○圭兜
 僕、窓際がいいです!

○語り部
『そういうわけにはいかないよ。と、とりあえずは、くじ引きで決めよう』

○圭兜
 知らないんですね。僕はくじ引きの圭ちゃんと呼ばれていることを。

○蓮華
 うそ(ボソッと)。

○圭兜
 うっ!

○鬼村
 俺は始めから窓際なの?

○語り部
 うん。

○鬼村
 じゃあ、動かない。

○語り部
 (無視して)
『じゃあ、くじ引きだ』
 普通は紙を適当に丸めて作るんですが、しっかりとした物を用意している(笑)。

○圭兜
 ようし、行くぞ!

○語り部
 とまあ、くじ引きをするわけなんだけど、鬼村くんは?

○鬼村
 窓開けて、煙草吸っている。

○語り部
『こ、こ、こ、こら! 教室で煙草を吸っちゃいけないよ! トイレで。違う!』
 と先生。

○一同
 (大爆笑)。

○語り部
『高校生が煙草なんて吸っちゃいけいないでしょう!』

○鬼村
『あ!?』
 睨む。

○語り部
『そ、そんな。せ、先生はそういうことはいけないと思うな。
 だ、だからといって、退学とかそういうのは違うと思うし。
 そういうのは教育者として敗北だと思うし』

○鬼村
 先生。

○語り部
『な、なんですか?』

○鬼村
 俺、窓際がいいんですけど。

○語り部
『わ、わがままはいけないよ。みんなだって我慢しているんだから!』

○鬼村
 ……しょうがないな。付き合うか。

○語り部
『煙草を消して!』

○鬼村
 先生は吸わないの?

○語り部
『先生は煙草なんて吸いません!』

○蓮華
 あの……横で吸うの止めてもらえません?
 煙いんですよね。

○鬼村
 ……だったら、どっか行けば?

○蓮華
 ……別に私はあんたに煙草吸うなって言ってるんじゃないのよ!
  横で吸うのが迷惑だって言ってるのよ!(切れた)

○語り部
 じゃあ、もう1人女性徒が、
『そうよ、そうよ! 人の迷惑考えなさいよ!』
 と、周りからも同じような声があがる(笑)。

○鬼村
 ここにベランダある?

○語り部
 ないよ。一階だから。

○鬼村
 窓から逃げる。

○語り部
『こ、こら。どこ行くんだ! 今から自己紹介もあるんだから!』

○鬼村
 窓から顔だけ出して吸っている。

○語り部
 (仕方ないな……)
『君! このままだと入学早々退学になってしまうよ!』
 と先生に言われた時、母親の事を思い出す。
『3年間、鼎学園で無事に過ごして』
 という遺言を(一同大爆笑)。

○鬼村
 ちぃ!

○語り部
 ちなみにお母さんは鼎学園の卒業生らしいです。

○鬼村
 お母さん。そういえば、名前は?

○語り部
 名前? (考えてなかった)……うーんと(笑)。

○蓮華
 佐藤花子(笑)。

○語り部
 ……佐藤吉江。

○鬼村
 佐藤さんになってしまった(笑)。

○語り部
 大変美しく、やさしいお母さんだったね。それゆえに弱いかも。

○鬼村
 はぁ。ため息をついて、机の穴でゴシゴシと消す(笑)。

○語り部
『残りも出しなさい』

○鬼村
 出す。

○語り部
 で、くじ引きが始まり、席が決まるわけなんですが、君達3人は窓際の近い席に決まる(笑)。

○圭兜
 ふ、ふ、ふ。見たか僕のくじ運。

○蓮華
 珍しいこともあるのね。

○語り部
 違うよ(笑)。ええとね、窓際の一番後ろが鬼村くん。その隣が圭兜くん。

○圭兜
 ぬぬっ。

○語り部
 で、鬼村くんの前が蓮華さん。

○蓮華
 ううっ。

○語り部
 その隣が、さっき君に続いて鬼村くんに抗議した女性徒。
 席に着くと
『ねえねえ。あなたなかなかやるわね。私、里村音遠。よろしくね』
 と話し掛けてくる。

○蓮華
 あ、私、閑護蓮華。よろしく。

○語り部
『これから仲良くやって行けるといいわね』

○蓮華
 うん! あなたとは気が合いそうだわ(笑)。

○語り部
 とまあ、そんな事がある。なかなか可愛い子だね。
 で、先生が、
『では、自己紹介をしてもらいましょうか!』と。
 で、自己紹介も進み、蓮華さんの番になる。

○蓮華
 え!? えーと、閑護蓮華です。3年間よろしくお願いいたします。

○語り部
 ピューピューと男子から口笛が上がったりします(笑)。
 で、次は鬼村くん。

○鬼村
 ……晶。

○語り部
『うん? 晶がどうした?』

○鬼村
 鬼村、晶。

○語り部
『なるほど。で?』

○鬼村
 何が?

○語り部
『1年間の抱負とかないんですか?』

○鬼村
 ……平和に生きていきたいと思います(一同大爆笑)。

○語り部
 で、音遠ちゃんも終わって、圭兜くん。

○圭兜
 おう。
『磨綺、圭兜です』
 伊達メガネかけています。
『ゆくすえは、生徒会長などを務めたいと思っているので、よろしくお願いいたします』

○蓮華
 ププ(笑)。

○鬼村
 けっ!

○語り部
 そこで鬼村くんも気づくんですが、彼から妙な気配が(笑)。

○鬼村
 なんか……雰囲気が違う(笑)。

○語り部
 なんか、自分と同じような匂いっていうんですかね? 感じるよ。
 そして、君の前の席に座っている蓮華さんからは、なんか苦手な気が(笑)。

○鬼村
 ズズズズって後ろに下がっていく(笑)。

○語り部
 ……とまあ、そんなわけで、その日は午前授業ということもあり、学校が終わります。

○鬼村
 ふぅ。ポケットにしまい込んでいた煙草を取り出して吸う。
『つまんねんなぁ。やっぱり、来るんじゃなかった』

○蓮華
 じゃあ、圭兜くん帰ろう。

○圭兜
 そうですね。蓮華さん。

○語り部
『ねえねえ。これから、私の家に来ない?』
 と音遠ちゃんが話し掛けてくるよ。

○蓮華
 えーと、何か用事あった?(と圭兜くんに)

○圭兜
 あ、僕はこれからちょっと寄るところがあるので。

○蓮華
 そうなんだ。

○圭兜
 うん。源じいの所。

○蓮華
『てんどんや』さんか(笑)。

○圭兜
『てんどうや』!

○蓮華
 え? なになに? 何か面白い物でも貰うの?

○圭兜
 さあね。
 まあ、源じいの所は後でもいいかな。

○蓮華
 じゃあ、行く行く。

○語り部
『私んチ、喫茶店やっているんだ』

○鬼村
 ……家に帰ってもしょうがないからな。

○蓮華
 ちらっと、そっちを見る。

○鬼村
 ボーっと校庭を見ている。

○蓮華
『一緒に行きません?』
 唐突に声をかける私(笑)。

○語り部
『何で声なんかかけるのよ』

○蓮華
 いや、なんとなく。暇そうだから。
 ……それにほら、同類だし。

○圭兜
 ……違う(ボソッと)。

○蓮華
 それはどうかな(笑)。

○鬼村
 じゃあ、思いっきり煙を吸って、ぷふぁーっとかける。

○圭兜
 お、鬼村くん。そういうことは行けないと思うんだ、僕。

○語り部
『そうよそうよ』
 と追随する音遠ちゃん(笑)。

○圭兜
 (消え去りそうな声で)
 せっかく近い席になったんだから、これから一年間のこともあるし、仲良くやろうよ。

○鬼村
 別にお前らと仲良くするつもりはないね。
 俺もここに来たくて来たわけじゃないからな。

○圭兜
 じゃあ、なんでいるんだよ。

○鬼村
 ……。

○蓮華
『……もういいよ。あんな混じり者はほっといて』
 と鬼村くんと圭兜くんにだけ聞こえるように。

○鬼村
 おい、お前(と圭兜くんに)。

○圭兜
 な、なに?

○鬼村
 お前何者だよ。

○圭兜
 磨綺圭兜です。

○鬼村
 ずずっと近寄る。

○圭兜
 にゅにゅ!?

○鬼村
 何かお前気に入らないな。

○圭兜
 ぼ、僕は……鬼村くんと3年間仲良くやれたらな、と思っています(一同爆笑)。

○蓮華
 情けない(笑)。

○鬼村
 ふーん。じゃあ、煙草を渡す。

○圭兜
 た、煙草!? ぼ、僕……。

○鬼村
 仲間なんだろう?

○語り部
『あんた! 止めなさいよ!』
 と音遠ちゃんが。

○蓮華
 す、凄い度胸だ(笑)。

○鬼村
 うるさい。ぴしぃ(払うと言いたいらしい)。

○語り部
『痛〜い』

○蓮華
 大丈夫、音遠?

○圭兜
 音遠さん!

○蓮華
『女の子に手を上げるとは、どういう了見よ!』
 切れると態度が変わる。

○圭兜
 れ、蓮華さん……。

○鬼村
 向こうが先に手を出したんだろうが。

○蓮華
 うわぁ、最低……。

○鬼村
『ちぃ』
 ばつが悪くなったので、廊下に出る。

○蓮華
 (あっかん)べぇえええええ!

○鬼村
 ……圭兜を連れて。

○圭兜
 え?

○蓮華
 ちょっと、圭兜くん!

○圭兜
 れ、蓮華さん。助けてください(泣)。

○語り部
 ……何処行くの?

○鬼村
 別にいじめるわけじゃないよ。
『お前んチ、何処にあるんだよ』

○圭兜
『僕の家ですか?』
 住所を言う。

○語り部
 神社ですね。

○鬼村
 神社? なんで神社なんかに住んでんだ?

○圭兜
 家だからです。

○鬼村
 お前、神主か?

○圭兜
 違います。僕は居候です。

○鬼村
 15歳で居候?

○圭兜
 いえ。5歳の時から居候です。

○鬼村
 ほぉう。

○圭兜
 生まれた時には母はいなく、父は5歳の時に、僕を残して……(泣)。

○鬼村
『な、泣くなよ』
 オロオロ(笑)。

○一同
 (大爆笑)。

○圭兜
 いきなり泣き出す。

○鬼村
 ちょっと待てよ。
 た、大変なんだな。
 まあ、泣くのはやめて、どっか遊びに行こうぜ。

○圭兜
 くすんくすん。そうですね。
 そう言えば、鬼村くんチはどこにあるんですか?

○語り部
 神社の近くですね。

○鬼村
 近くだ。

○圭兜
 そうなんですか。
 じゃあ、交流を深めるということで、やはり里村さんの家に参りましょう。

○鬼村
 ……まあ、俺は別にいいけどさ。

○圭兜
『じゃあ、さっそく参りましょう。さ! さ!』
 腕を引っ張っていく。

○語り部
 じゃあ、鬼村くんの顔を見て
『あんた、謝りなさいよ!』
 と音遠ちゃんが。

○圭兜
 ……(鬼村くんの物まねで)ご、ごめん。

○蓮華
 あんたが言ってもしょうがないでしょう(笑)。

○鬼村
 ……悪かったな。

○語り部
『う……』

○鬼村
 ……またやるかもしれないから、その時はよろしく。

○語り部
『ふざけんじゃないわよ!』

○蓮華
 ま、ま、一応は謝りにきたんだし。

○圭兜
 そうですよ。行きましょう。

○語り部
『う、うん』

○鬼村
 10m後ろぐらいから、着いていく(笑)。



シーン2 喫茶ネオン
 
○語り部
 
(鬼村かあ……こりゃあ、問題児だな。なんとかしなければ)
 さて、そんなこんなで、君達は音遠ちゃんの家である、『喫茶ネオン』にやって来る。

○蓮華
 
娘の名前なんだ(笑)。

○語り部
 (アドリブなんだもん!)
 カランコロンと入っていくと、部屋自体は狭いのですが、小奇麗でおしゃれな感じです。
 カウンターの中では、お母さんがサイフォンをいれている。
『おかえりなさい。あら、お友達?』

○蓮華
 こんにちは、はじめまして。

○語り部
 ……鬼村くんも入るんだよね?

○鬼村
 うん。

○語り部
 じゃあ、驚くね。君のお母さんにそっくりだよ。

○鬼村
 はっ! な、何ぃ……じーっと、ボーっとしている(笑)。

○語り部
 じゃあ、紅茶とケーキを出してくれる。

○蓮華
 ありがとうございま〜す。

○鬼村
 ……。

○語り部
 凄くおいしいですね。

○蓮華
 おいしーい。

○語り部
 まあ、そんなこんな、遊んで雑談なんかをするわけです。

○鬼村
 そわそわ。チラチラとお母さんを見ている(笑)。

○蓮華
 どうしたの?

○鬼村
『べ、べつに。何でもないよ』
 そわそわ。

○圭兜
 いきなり妖しい(笑)。鬼村くん挙動不審になっているよ。

○蓮華
『何か用事でもあるの?』
 時計でも気にしているように思った。

○鬼村
 そんなんじゃないよ。

○蓮華
 ふーん。さっきから落ち着きないから。

○語り部
 ちなみにここも神社の近く。鬼村くんのアパートはもっと近い。

○圭兜
 そう言えば、鬼村くんの家もこの近くなんだって?

○語り部
 ……隣のアパートです。

○鬼村
 隣かよ(一同爆笑)。

○圭兜
 ね。鬼村くん。

○鬼村
 ……。

○蓮華
 そういえば、音遠も家に遊びにおいでよ。

○語り部
『うん。どこなの?』

○蓮華
 神社。

○語り部
『神社?』

○蓮華
 うん。

○語り部
『へえ。私、半年くらい前に引っ越して来たばかりだから』

○圭兜
 じゃあ、僕が案内しましょう。僕は犬や猫とお友達ですから。

○蓮華
 ……犬や猫の通る道じゃ、人間は通れないじゃない(笑)。

○圭兜
 ああああああ(頭を抱える)。

○語り部
『そういえば、鬼村くんチは?』

○鬼村
 隣。

○語り部
『隣って、あのアパート?』

○鬼村
 ああ。

○語り部
『あそこって、人住んでいたんだ』

○鬼村
 ぬぅうううう。思いっきり睨む。

○語り部
 じゃあ、そんな時にお母さんが厨房から出てくる。

○鬼村
 はっ! 笑顔になる(笑)。

○語り部
『睨まないでよ』

○鬼村
 な、何が?(一同大爆笑)

○蓮華
 面白い(笑)。

○圭兜
 じゃあ、鬼村くんの家にも行ってご挨拶してこないと。

○鬼村
 誰もいないぞ。

○圭兜
 お仕事に行っているの?

○鬼村
 誰もいないっていっているだろ。

○蓮華
 じゃあ、一人暮し?

○鬼村
 ああ。

○蓮華
 へえ。大変だね。

○鬼村
 別に。誰にも気兼ねしなくていいからな。

○蓮華
 でも、食事の支度とか。

○鬼村
 別に。

○圭兜
 落ち込まないでね。

○鬼村
 ……落ち込む?

○圭兜
 うん。だって、素行が悪いから追い出されちゃったんだろ?(一同大爆笑)

○鬼村
 ちぃ!

○圭兜
 じゃあ、毎日一緒に学校行けるんだね。

○蓮華
 そうね。

○鬼村
 嫌そうな顔している。

○圭兜
 お家分かったしね。

○蓮華
 そうね。

○語り部
 そうこうしている間に、5時半になるよ。

○圭兜
 そろそろおいとましようか。

○蓮華
 そうね。

○圭兜
 寄る所があるから。

○語り部
『残念。また、学校でね』

○蓮華
 じゃあ、朝迎えに行くから。

○語り部
『うん。待っている』

○蓮華
 ね。鬼村くん。

○鬼村
 け。

○圭兜
 バイバイ。

○語り部
『家の子と仲良くしてくださいね』
 とお母さんが見送る。

○鬼村
 あの……。

○語り部
『なあに?』

○鬼村
 また、来てもいいですか?(笑)

○語り部
『ええ』

○一同
 (大爆笑)。

○語り部
 (これで少しやりやすくなったな……)



シーン3 天童屋
 
○圭兜
 さて、『天童屋』に行かなきゃ。

○蓮華
 私も行く。

○圭兜
 蓮華ちゃんも行くの?

○蓮華
 だめ? あそこ面白いんだもの。

○圭兜
 いいけど。鬼村くんも行く?

○鬼村
 何処に?

○蓮華
 骨董品屋さんで『てんどんや』っていうの。

○圭兜
『てんどうや』!

○鬼村
 メシ食いに行くのか。付き合うぞ。

○蓮華
 いや。骨董品屋さん(笑)。

○鬼村
 なんだ? わけわからんな。

○圭兜
 ……食べ物でないよ。

○蓮華
 お茶くらいは出るけど。

○鬼村
 何か食わしてくれるんなら、行く。

○蓮華
 一人暮らしなんだよね。なら、今日は家で食べたら。

○鬼村
 何か食えるのか。

○圭兜
 まあ、晩御飯くらいなら。

○鬼村
 いいのか?

○蓮華
 うん。一人くらい増えたって。

○鬼村
 しょうがないな。付き合ってやるよ。

○圭兜
 あ、ありがとうございます(笑)。

○語り部
 さて、君達はすっごい古い造りの平屋、木の看板で『天童屋』と書かれた店にやって来る。
 ガラクタが散乱し、店かどうかも妖しい。

○鬼村
 なんだ。こりゃ。

○圭兜
 入っていく。

○蓮華
 おじゃましまーす。

○語り部
『おう。蓮華に圭兜か。なんじゃ、そいつは』
 と源じい。

○蓮華
 クラスメイトで、鬼村晶くん。

○語り部
『ふーん』
 じろじろ。

○鬼村
 見るんじゃないよ。

○語り部
『なかなかくそ生意気なガキじゃな』

○鬼村
 じじいは嫌いなんだよ。

○語り部
『ワシじゃって嫌いじゃわい』

○鬼村
 ちぃ。

○語り部
『今日呼んだのは他でもない。圭兜に入学祝をやろうと思ってな』

○圭兜
 本当ですか!?

○語り部
『まあ、柾哉に頼まれておったものなのだがな』

○圭兜
 柾哉さんですか。

○語り部
 と一振りの大太刀を君に渡します。

○圭兜
 いきなり刀ですか。

○蓮華
 わぁ。銃刀法違反(笑)。

○語り部
 闇ルートから回ってきたもんじゃ。

○圭兜
 妖しい。

○語り部
『虎雀銘雨閑輝邪蒼閃(こじゃくめい・あましずきじゃそうせん)』と呼ばれるもんじゃ。

○圭兜
 ……長くて覚えられません(笑)。

○鬼村
 こいつら、怪しい(ごもっとも)。

○蓮華
 これで私の護衛として役に立ちそうね。

○圭兜
 そんな事言っていいんですか?
 知っているんですよ。蓮華さんが僕のこと。

○蓮華
 
なあに?

○圭兜
 ……なんでもないです。
 冗談にしては悲しすぎる冗談になりそうなので(笑)。

○語り部
『柾哉にもお礼をするんじゃぞ』

○圭兜
 柾哉さんには裏があるんです。
 きっと、僕があまりにも弱いから、蓮華さんを守れないと思って。

○語り部
『……そうかもな』

○圭兜
 ズキィ! わかっていても、直接言われると悲しい。

○語り部
『蓮華にもあるんじゃ』
 とリボンの付いた袋を渡す。

○蓮華
 なになに? 開ける。

○語り部
 中には黒い下着が。
『蓮華ももう高校生だからな。これぐらいは着ないとな。はっはっはっ!』

○蓮華
 黒い下着もってるよ。

○圭兜
 な、何! 初めて知った。

○蓮華
 じゃなくて! こんなの持って帰ったら、お父様に叱られるでしょ!

○語り部
『とほほ。恥ずかしい思いで下着売り場に行ったのに』

○蓮華
 目に浮かぶわ……。

○圭兜
 さあ、貰うものも貰ったし、帰りましょう。

○蓮華
 そうね。



シーン4 閑護神社
 
○語り部
 さて、神社に向かった一行。
 神社の石段は、全部で324段あります。

○鬼村
 ながー。

○蓮華
『じゃあ。いつもの訓練』
 ひょいっと、圭兜くんに乗る。

○圭兜
 はぁあ。やだな。
 でもがんばります。鬼村くん着いてきてください。

○鬼村
 見た目より強靭な体しているな(笑)。

○語り部
 じゃあ、『2d+体』で判定してもらいましょうか。
 蓮華さんをおぶっている圭兜くんは判定に−1のペナルティを与えよう。

○圭兜
 (コロコロ)ダイス目10、体が2、−1のペナルティで11。

○鬼村
 (コロコロ)ダイス目7、体4で11。

○語り部
 じゃあ、2人共同じくらいに本堂にたどり着く。

○圭兜
 はぁあ。

○蓮華
 ご苦労様。楽チン。

○圭兜
 凄いですね、鬼村くん。
 普通の人は僕が登りきった時点で百段も登れないのに。

○鬼村
 まったく凄い奴だな、お前。

○蓮華
 5歳の時からやっているものね。

○圭兜
 はぁ。しかし一向に体力が付かなくて。

○鬼村
 (キャラクター・シートを見て)本当だ。これくらいなら俺は楽勝よ。

○語り部
 普通の人からすれば二人とも人間離れしているんだけどね。

○圭兜
 やはり鬼村くんって……。

○鬼村
 じーっと。

○圭兜
 じゃあ、行きましょう。

○蓮華
 うん。



 今二人が行った判定を『対抗判定』と呼びます。
 『行為判定』の一種ですが、難易度を設けず、判定結果の高い方が勝ち、という判定のことです。
 この場合は、高い方が先に頂上にたどり着くとしたのですが、同数だったため、同着としました。



○語り部
 じゃあ、本堂の方。お弟子さんとかも数十名います。

○圭兜
 ただいま帰りました。

○蓮華
 今日はお客様がいらしているので、一人分、お願いします。

○語り部
『かしこまりました。ご夕食は一時間後に』

○蓮華
 では、どうぞ。

○語り部
 本堂はかなり広いぞ。学校の敷地以上あるんではないでしょうか。

○鬼村
 でかー。

○語り部
 君達が部屋の方に行こうとすると、柾哉がやって来るよ。
 左腕と右目がないです。右目には切られたような跡がある。

○鬼村
 凄まじい父ちゃんだ(笑)。

○蓮華
 ただ今帰りました。

○語り部
『おう。学校はどうだった?』

○蓮華
 えーと、さっそくお友達を連れてきました。

○語り部
『うむ』
 ジロジロ
『ほう。鬼神の血を受け継ぐものか。今時珍しいな』

○鬼村
 ! 何!

○語り部
『絶滅せずにおったか。まあ、仲良くやってくれたまえ』

○鬼村
 な、何者だ。お前。

○語り部
『お父さんだ』

○鬼村
 ……。

○圭兜
 鬼村くんって、鬼の血を継いでいたんだ。

○語り部
『そんなことも判らんかったのか。まあ、混じり者を見るのは初めてか』

○蓮華
 人と違うとは思ったんだけど。

○鬼村
 うるさい。うるさい。関係ないじゃないか。

○語り部
『まあな(即答)』

○鬼村
 なんか、調子狂うな(笑)。

○語り部
『ふむ。一緒に夕食でもどうかね』

○鬼村
 そのつもりで来た。

○語り部
『では、本堂で宴会と行こうか。おお、折角だから泊って行きなさい』

○鬼村
 まあ、構わないけど。

○蓮華
 一人暮らしなんだもんね。

○語り部
 じゃあ、程なくして食事の準備がされる。食事は質素ですね。
 4本足の動物は出ないしね。魚は出るけど。
 お父さんはどぶろくを取り出して飲み出すよ。

○鬼村
 バクバク。

○圭兜
 モグモグ。

○語り部
『それにしても、圭兜と蓮華も高校生か。懐かしいな』

○蓮華
 そう言えば、お父様も鼎学園の卒業生なの?

○語り部
『卒業生だぞ』

○圭兜
 良く卒業できたな(小声で)。

○語り部
『何か言ったか?』

○圭兜
 いえ。何でもありません。

○語り部
『不思議研究会と言う所に入っておってな』

○圭兜
 はぁあ?

○蓮華
 何ですか? それ。

○語り部
『……不思議なことを、研究する会』

○蓮華
 そのままじゃないですか(笑)。

○語り部
『面白かったんだぞ。あの時は吉江さんもおったし……』

○鬼村
 何! おい、オヤジ。今吉江さんとか言ったか?

○語り部
『ああ、マドンナだった』

○鬼村
 うー、佐藤吉江か?

○語り部
『そうだ。何でお前が吉江さんのことを知っているんだ?』

○鬼村
 バクバク(無視)。

○語り部
『おい! こら!』

○鬼村
 ……俺のかあちゃんだ。

○語り部
『なるほど、奇縁だな。……ふられちゃってな。吉江さんには』

○鬼村
 だろうな。

○語り部
『それからもっとベッピンさんの嫁さんを貰ったからいいんだもんね』

○鬼村
 そんなのいない。

○語り部
 写真を見せるよ。

○蓮華
 まだ持ち歩いているのか(お母さんは亡くなっています)。

○鬼村
 いたんだ。かあちゃん、鼎学園に。

○語り部
『お前らも、部活に入るなら、不思議研究会はどうだ。そういう部だしな』
 と圭兜と蓮華に。

○圭兜
 ……今もあるんですか?

○鬼村
 いつの話だ?

○語り部
『30年くらい前』

○鬼村
 30年前の同好会があるわけないだろ?

○蓮華
 一応聞いてみましょうよ。復活させるって手もあるし。

○鬼村
 部じゃないんだぜ?

○蓮華
 でも、3人以上とかって定員満たして、顧問を1人付ければいいんでしょう?
 それに何もなくて楽そうだし(笑)。

○圭兜
 発足するんだろうか?

○鬼村
 不思議研究会って、名前自体が不思議じゃない?

○語り部
『不思議な事を研究するんじゃないか。当時は有名だったんだぞ』

○鬼村
 当時はね。

○圭兜
 そうですねー。
 鬼村くんの家に行って、柾哉さんの話でも聞いてみたいですね(唐突に話を変える圭兜)。

○鬼村
 ……。

○圭兜
 きっと、鬼村くんのお母さんに助けてもらったんだ。宿題とか。

○鬼村
 ……かあちゃんは、もう死んだ。

○語り部
『なんと!』

○圭兜
 すいません。僕は何も知らないで、そんなこと……(泣)。

○鬼村
 別にいい。

○語り部
『坊主! 飲め!』

○圭兜
 そうです。こんな時は飲んで忘れてください!

○蓮華
 (一人だけ冷静に)高校生よ。まだ。

○鬼村
 これ、何処で作っているんだ?

○語り部
『俺が造った。だまっとれよ。酒造法で捕まるから』

○鬼村
 刀送ったり、酒造ったり、怪しい。

○語り部
『こちとら、天下御免の宗教法人だからな』

○蓮華
 お父様、それじゃあ、悪徳新興宗教よ。
 私が神主になった暁にはきっと……。

○鬼村
 だめ神主だ(笑)。

○語り部
 さて、そんな訳で、その日も暮れていくのであった。



シーン5 不思議研究会
 
○語り部
 それでは次の日になります。
 朝げを食べて、音遠ちゃんを誘って、君達は学校へとやって来る。

○蓮華
 鬼村くん。お酒くさいよ。

○鬼村
 今日ふけるかな……。

○圭兜
 コーヒーとか飲んだら?

○語り部
 さて、そんなこんなで、授業が終わります。
 何にもないんで(笑)。
 3時くらいになりますよ。

○圭兜
 じゃあ、不思研探しにいきましょうか?。

○蓮華
 うん。

○語り部
 『不思研?』と音遠ちゃんが。

○蓮華
 お父様から聞いたんだけど。30年前に『不思議研究会』ってのがあったんだって。

○語り部
 『面白そう! 私も行く!』

○鬼村
 ええ!?

○圭兜
 本当にあるかどうかは疑問ですよ?

○語り部
『でも、面白そうだし』

○蓮華
 ……音遠ちゃんの趣味って変わっているかも。

○圭兜
 じゃあ、いきましょうか。

○鬼村
 行きたくないな……。

○蓮華
 ぐいぐい引っ張っていく。

○語り部
 何処行くの?

○蓮華
 クラブの一覧とかは?

○語り部
 渡されているけどね。ないよ。

○蓮華
 幸一郎先生に聞いてみようか。

○圭兜
 そうですね。

○語り部
 じゃあ、職員室。幸一郎先生がいる。

○蓮華
 あのー、お伺いしたいんですけど。
 この学校に『不思議研究会』って同好会ありますか?
 30年前にはあったんですけど。

○語り部
『不思議研究会? 聞いたことありませんね。調べて見ますね』

○蓮華
 お願いします。

○語り部
 それから小1時間ほどして、
『ありましたね。でも今は活動していないみたいですよ』

○蓮華
 そうですか……。

○語り部
『でも、不思議な話で、部室はそのまま残っているみたいなんですよ。
 裏にあるから行って見たらどうですか?』

○蓮華
 はぁあ。行って見る?

○圭兜
 そうですね。

○蓮華
 ありがとうございました。

○語り部
 教えられた場所に行くと、木造の平屋の建物がある。
 かなり痛んでいるんですけど、入り口には道場の看板のように木製の看板があり、『不思議研究会』とある。

○圭兜
 怪しい(笑)。

○鬼村
 ちゃーんと、あったな。

○蓮華
 開けて入ってみようか? わくわく。

○圭兜
 う〜ん。そうですね。

○語り部
 中は相当痛んでいますね。

○鬼村
 中で何やってたんだろ?。

○蓮華
 不思議な研究。

○鬼村
 ツチノコでも探していたんだろうか。

○蓮華
 それはちょっと違う(笑)。

○語り部
 部屋は4部屋あり、台所もある。

○鬼村
 ガスや水道も引いてあるのか?

○圭兜
 使えるんですか? これ?

○蓮華
 今はどうだろうね。

○圭兜
 ひねってみる。

○語り部
 点くよ。水も出ます(笑)。

○圭兜
 おお!?

○蓮華
 なんて危険な(笑)。

○鬼村
 どっから引いているんだ?

○圭兜
 妖しい(笑)。

○語り部
 裏にガスメーターはない(笑)。

○蓮華
 危険だ(笑)。

○鬼村
 ……なかなかいいところじゃん。

○圭兜
 そうですね。新しく改装しましょう。

○蓮華
 その前にやっぱり同好会として成り立たないと。

○圭兜
 そうですね。とりあえずは田辺先生に顧問を頼みましょうか?
 『不思議研究会』を発足させれば、少しはお金出るでしょうし。

○蓮華
 うんうん。

○鬼村
 本当に?

○圭兜
 同好会ですからね。でも2、3千円くらいは。

○鬼村
 おお。



 さっそく幸一郎先生に頼み込む4人。 何故か乗り気な幸一郎先生。
 本来なら同好会にまともな運営費は回わされないのであるが、なぜか多額の資金が回ってくる。
 畳替え、窓ガラスの張り替え、壁紙の張り替えなどで、あっという間にその日は過ぎるのだった。



シーン6 さらわれた音遠
 
○語り部
 さて、次の日。授業も終わり、放課後になるよ。
 この日は昨日の続きで本部の修理を行う予定でしたが、音遠ちゃんが来ないよ。

○蓮華
 あれ?

○圭兜
 うむ?

○鬼村
 あいつは何処行ったんだ?

○語り部
 先生が
『今日業者が来るんですが、先生用事があって行かなきゃならないんですよ。お金預けといていいですかね』

○蓮華
 はい。

○語り部
 先生はいなくなるよ。

○蓮華
 ちょっと、見て来ようか?
 お金はしっかり者にあずける。はい。

○圭兜
 わかりました。

○蓮華
 教室に行く。

○語り部
 君が教室に向かうと、3人組みの女性徒が何か騒いでいるよ。

○蓮華
 あの……。

○語り部
『た、大変なの!』

○蓮華
 何、何!?

○語り部
『里村さんが2年生の不良グループに連れてかれたの!』

○蓮華
 どこに?

○語り部
『校舎裏』

○蓮華
『校舎裏? ありがとう』
 遠いじゃないか。タッタッタ! 校舎裏に行く。

○語り部
 校舎裏に行くとね。2年生のグループ20名くらいが騒ぐ音遠ちゃんを連れて、どっかに行こうとしているよ。

○蓮華
 はう! どうしよう! PHSぐらい持ってないの?

○語り部
 持っていますよ。

○蓮華
 圭兜くんに電話する。

○圭兜
 電話が鳴った瞬間に、
『あ、蓮華さんです』

○蓮華
 私しか番号知らないのね(笑)。

○鬼村
 直通じゃん(笑)。

○圭兜
 もしもし。どうしたんですか?

○蓮華
 音遠が、20名くらいの不良に連れ去られようとしているから、早く来て。

○圭兜
 ね、音遠さんが、不良に拉致されそうになっている!?

○鬼村
 拉致!?

○圭兜
 今何処にいるんですか?

○蓮華
 校舎裏なんだけど。外に出ようとしている。

○圭兜
 校舎裏ですね? 行きましょう!

○鬼村
 しょうがないなぁ。

○語り部
 しばらくすると圭兜くんと鬼村くんがやって来る。
 君達が合流したのはもう校外に出た後で、音遠ちゃんは近くにある工場跡地の倉庫へと運ばれるよ。

○蓮華
 もう、遅い!

○圭兜
 急いで来たんですけどね。

○鬼村
 急ぐぞ!

○語り部
 君達が工場跡地に入ると、そこには20名ほどの不良がいる。
 音遠ちゃんは縛られており、気絶しているのか、そこらにあるソファーに寝そべっているよ。

○蓮華
 ううううう。助けなきゃ。

○語り部
『なんだぁ? テメエらは?』
 と不良の1人がありきたりな言葉をかけてくる。

○圭兜
 お、鬼村くん(小声で)。

○鬼村
 (前に出て)楽しそうな事しているな、おい。俺も混ぜろよ。

○語り部
『なんだ、テメエ?』

○鬼村
 混ぜろって言ってんだよ。

○語り部
『1年に入って来た生意気な奴って、お前のことか』
 と胸倉をつかむ。

○鬼村
 睨む。

○語り部
 こっちも睨むよ。

○鬼村
 チョウパン(ヘッドバット)かます。

○語り部
 じゃあ、あっさりきまって倒れる(笑)。

○蓮華
 怖いよ(笑)。

○語り部
 じゃあ、周りの奴らが色めきだって君達を囲む。

○鬼村
 だ・か・ら、混ぜろって言ってんだろ(恐)。

○語り部
 じゃあ、後ろから『おい』っていう声がかかると、人垣が割れる。
 そこにはタイヤが積まれており、1人のボスらしい男が座っている。
 『2d+心』で判定して。

○鬼村
 やばい。こいつもか。(コロコロ)また9。

○蓮華
 (コロコロ)14。

○圭兜
 (コロコロ)おお、凄いよ。20!。

○語り部
 じゃあ、また鬼村くん以外は分かるけど、こいつも混じり者みたいだね。

○圭兜
 混じり者だ。

○語り部
『お前らか。1年に入って来た混じり者ってのは』

○鬼村
 混じり者?

○圭兜
 な、何のことですか!

○語り部
『ここは俺のテリトリーなんだよ。邪魔はしないでもらおうか』

○圭兜
 じゃあ、そういうことで。

○蓮華
 ぺちぃ!(圭兜くんを叩く)

○鬼村
 わかんねえ奴だな。

○圭兜
 鬼村くん、まずいですよ。混じり者です。

○鬼村
 あいつもお前みたいな奴なのか?

○圭兜
 あいつも鬼村くんみたいな奴です(笑)。

○蓮華
 要するにあんたらみたいなの。

○圭兜
 (小声で)僕は……混じり者じゃないです。
 こう言うのは苦手だし。

○語り部
『さっさと女置いて失せな』

○鬼村
 それは、こっちのセリフだぜ!

○語り部
『わかんない奴だな。狭い町なんだ。互いに干渉し合わないで、楽しくやろうぜ?』

○蓮華
 そう言うわけにはいかないのよ!

○語り部
『わかんない奴らだぜ』
 と言うと、そいつは立ちあがる。
 それを見た他の不良は蜘蛛の子を散らすように逃げて行く。
 工場跡地は薄暗いんだけどね。その中でも彼の目はらんらんと輝いている。
 確かに人あらざる何かを感じるよ。

○鬼村
 蓮華。お前はどっかいってろ。

○蓮華
 はぁ?

○鬼村
 なんでこんなに強気なんだ(笑)? お前は普通の人間だろ?

○蓮華
 普通の人間ですけど。

○圭兜
 鬼村くん、よろしいでしょうか?

○鬼村
 何?

○圭兜
 この場合は、僕がどっかに行っていた方が足手まといにならないのでは。

○鬼村
 お前の刀は何なんだよ(笑)。
 間抜けな事言ってんじゃねえよ!

○圭兜
 でも、怖いものは怖いんです(泣)。

○蓮華
 さいてー。

○圭兜
 はぁあ。

○蓮華
 ええい。第三十六代閑護家当主(予定)の言うこと聞きなさい。
 あれ以上あいつがごたごた言うなら、やっつけるよ!

○語り部
『閑護だと! おのれ!』
 と向かってくるよ。閑護の名前は禁句らしい(笑)。

○圭兜
 わわわ。

○蓮華
 さあ、あんた達がんばんなさい(笑)。

○鬼村
 そうこなくっちゃな。

○圭兜
 うにゅにゅにゅ!
 
 

◆第1ターン◆

○語り部
 じゃあ、戦闘突入だ!
 まずは第1ターン。
 行動する順番を、順位判定で決定してもらおうか。
 高い順から行動することになるよ。

○鬼村
 (コロコロ)ええと、出目9だから、11。


○語り部
 (コロコロ)こっちは8。

○蓮華
 (コロコロ)低いけど10。

○圭兜
 (コロコロ)10。

○語り部
 じゃあ、第1ターンは鬼村→圭兜&蓮華→こっちの順番だね。

○鬼村
 何しようかなぁ? とりあえず様子見で『物理攻撃』を行う。
 ええと、『3d+4』か。
 (コロコロ)17点のダメージです。

○語り部
 それを特殊能力の『反撃防御』で減少、あわよくば逆にダメージを与えよう。
 (コロコロ)はぅ! 12だから、5点のダメージを負ってしまった。
 次は蓮華さんと圭兜くん。同時だけど便宜上どちらかが先にどうぞ。

○蓮華
 うーんと、特殊能力の『九字切り』を使いましょう。混じり者なら『陽』属性に弱いはず。
 生命を2点削って、(コロコロ) う! 低い! 10点のダメージです。

○語り部
 それでも辛いのよね。弱点だから『2d』だけの減少。
 (コロコロ)お! 11。九字切りは効果を及ぼさなかった。

○蓮華
 えーん。生命の無駄。

○圭兜
 次いきます! いきなり幸運を3点消費して判定に+3のボーナスを加え、 切り札の『風の太刀』だ!

○語り部
 むむ! いいのか? 切り札は一戦闘中1回しか使えないぞ。

○圭兜
 かまうか!
 (コロコロ)はへ? ピ、ピンゾロ(笑)。

○語り部
 くく(笑)。値は必ず0だからダメージ無しだね。でもピンゾロを出すと幸運が1点増えるよ。
 3点使って1点増えたわけだ(笑)。

○圭兜
 くそぉ。

○語り部
 じゃあ、こっちの番だね。こっちも切り札の『切糸烈刃』だ!
 範囲は敵全員なのだ。(コロコロ)『水』属性21点!
 全員『2d+水』の値だけ減少できるよ。

○鬼村
 それは厳しいな。幸運を3点消費して判定に+3しよう。
 これで『2d+3』か。(コロコロ)14だから7点もダメージを受けた。

○圭兜
 同じく幸運を3点消費しましょう。(コロコロ)12。
 痛い! 9点も受けた!

○蓮華
 うーんと、幸運を6点消費する(笑)。判定に+3d。
 (コロコロ)21だから無傷!



◆第2ターン

○語り部
 ぬぬ。では第2ターンに行こう。再び順位判定をどうぞ。
 (コロコロ)こちらは、ううっ6だって。

○鬼村
 (コロコロ)7。良かった。ギリギリ相手よりも速い(笑)。

○蓮華
 (コロコロ)12。

○圭兜
 (コロコロ)同じく12。

○語り部
 じゃあ、圭兜と蓮華から。

○圭兜
 いくぜ! 幸運を4点消費して判定に+1d。
 生命を2点削って特殊能力の『風』を使う。
 これで中傷になるけど−2のペナルティはどうせ次からだから構うか!
『テメエ! やり過ぎなんだよ!』

○蓮華
 あ、何か性格変わってる(笑)。

○圭兜
 いくぞ! (コロコロ)う、低い13。

○語り部
 ダイス目が振るわないね(笑)。
 『木』属性か。(コロコロ)う! 8だから5点のダメージを受けた。

○蓮華
 次は私。幸運を3点消費して『九字切り』を使う。
 (コロコロ)19!

○語り部
 幸運使いまくってんな。
 (コロコロ)痛い。9だから10点のダメージを負った。
 軽傷が0になったから、あらゆる判定に−2か。

○鬼村
 とどめじゃ! 普通に攻撃。
 (コロコロ)う、10だって(笑)。

○語り部
 そんなんでとどめになるか!
 『反撃防御』で逆にダメージを与えちゃる。
 (コロコロ)……(一同大爆笑)……ピンゾロ。
 丸々10点のダメージを受けた。
 重傷も0になった(泣)。



○蓮華
 そ、それって。
 殺しちゃまずいんじゃ……。

○語り部
 大丈夫。幸運が残っているから気絶で済むよ。

○鬼村
 あぶねえ、あぶねえ。殺すところだったな(笑)。

○蓮華
 大丈夫かな?

○語り部
 しばらくすると気が付くね(ルール的には重傷が1点でも回復しない限り目覚めません。ご都合主義ということで)。
『勘弁してくれ!』

○蓮華
 もう、こういったことはしませんか?

○語り部
『も、もちろんだ!』

○蓮華
 もし……。

○語り部
『閑護にはもう逆らわねえよ。俺の名前は柿股洋介。鬼蜘蛛だ』

○蓮華
 失せなさい。

○語り部
『あ、ありがてえ』
 と柿股は逃げて行く((笑))。

○鬼村
 どれ。音遠はどうなっているんだ?

○蓮華
 音遠ちゃん!

○語り部
『うううん』

○蓮華
 縄を解く。

○語り部
『おはよう』

○蓮華
 おはよう。

○圭兜
 おはようですか(笑)。

○語り部
『おはよう……じゃなくて! 私が危ない!』

○蓮華
 いや。あの。もう大丈夫(笑)。

○語り部
『ありがとう。みんな助けに来てくれんたんだ!』

○蓮華
 うん。鬼村くんが不良と話つけてくれんたんだ。

○語り部
『え? うん。ありがとう』
 ちょっと照れた顔だね。

○鬼村
 (苦笑)。いつまで座っているんだよ。

○語り部
『う、うん』

○圭兜
 あ! 業者が来るんだった。僕先に戻ってますね!

○蓮華
 う、うん。

○鬼村
 俺達も戻るか。

○語り部
 圭兜くんが戻ると、業者の人が困った顔でうろうろしている。

○圭兜
 す、すいません。

○語り部
 じゃあ、お金を渡し、物を受け取る。
しばらくすると、みんなも戻って来て、改修を始める。
 5時半くらいには終わるね。

○一同
 やったぁ!

○語り部
 先生も戻ってくるんだが、すき焼き用の材料を抱えている(笑)。

○蓮華
 さっそく本部の台所で! 料理苦手だけど(笑)。

○語り部
『私得意だから』
 と音遠ちゃん。

○圭兜
 僕手伝います。

○語り部
『あら? 圭兜くん上手ね』

○圭兜
 居候ですから(笑)。

○語り部
 とまあ、こうしてその日は終わるわけなんですが、この続きは次回のセッションをいうことで。

○一同
 おーう!

○鬼村
 (すき焼き)うまうま。

○圭兜
 肉食べるの久しぶり(笑)。