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| TRPGエッセイ 日々是RPG |
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3.TRPG人間・氷山りょうのできるまで〜ルールを買いに行ってみよう〜 |
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このエッセイ、早くも3回目を迎えましたが、もうしばらくこのシリーズが続きます。ご了承ください。 なんたって、まだ当時の私は今のリーブルのメンツに出会ってもいないのだ。私としては早く出会いのくだりを語りたいのだが、物事には順序というものがある。 かくして、話は前回の文末に戻る。 遅刻したその日、私の恩師である副担任のI先生に軽く苛められつつ、一日の授業を無事に原稿描きながら乗り切った私は、本屋に寄ることなく真直ぐにバイト先へ向かった。途中で買ってしまえば、レジ打ちの仕事に身が入らなくなるのが火を見るより明らかだったからである。私はやはり当時から、欲望にすこぶる弱い人間だったのだ。 牛タンのブロックや生きたドジョウをレジに通しつつ(見たことあります?未加工の牛タン。結構グロいです)、一刻も早くバイトが終わることを願ってちらちらと時計を見る。不思議とこういう時は時間の流れが遅くなるもので、私はいつもより3時間は長く感じたバイトを終えて、その足で本屋に向かった。 「テーブルトークRPGがよくわかる本」の置いてあった棚に向かうと、ありました、「GURPSベーシック」に「ガープス・ルナル」(当時はまだ文庫サイズしかなかった)。 しかし、両方買うには金がない。これ以上の浪費は今後の生活に支障を来たしてしまう。 ……現金がないわけではないので、両方買ってみたい衝動に駆られはしたが、私は結局ベーシックのみを購入することにした。ルナルは確か「サプリメント」とかいうやつだから、なければないで遊べないわけではない。基本があれば多分大丈夫だ!という根拠のない自信が、その時の私にはあったのだ。ひょっとすると、そうやって自分を騙していただけなのかも知れないが、いずれにせよ2冊買うだけの余裕はなかったのだから仕方がない。 私はさっそく、とても妖しげな表紙の「GURPSベーシック」を買い入れると、ピンクのチャリで家路についた。 私が家の雑事から解放されるいつもの時間、相変わらず布団の上に座って、幾分ドキドキしながらルールを開いて見る。とりあえず一度目は全体をざっと通して読み、雰囲気を把握することにした。最初から熟読するには無理のある厚みだったし、何より私は生まれて初めてTRPGのルールに触れるのである。一度読んだだけで理解できるとは始めから思っていない。 それでも、目を通すだけでかなりの時間を要し、私は連日の寝不足もあって、半分も読まない内に布団にもぐりこんでしまった。 結局、翌日はブックカバーをかけて学校に持ち込み、授業中も読みつづけ、その日の午後には全体に目を通すことが出来た。 でも、読んだだけではいまいち把握しきれないところがある。巻末にサンプルキャラクターが掲載されていたが、これをそのまま使うのはどうかと思う自分もいる。 もっと詳しくルールを知るためにも、とりあえずはキャラクターを作ってみよう。 そう結論付け、私は二つ隣のクラスへ駆け込んだ。この手の話に一番乗ってくれそうな人たちを巻き込むためである。 「TRPGってゲームがあるんだけど、やろーよ」 それが第一声であった。 それから私は当時の私が知る限りのTRPGの楽しさ(予測)を説明するために熱弁をふるい、最終的に2人の仲間を確保して意気揚揚と自分のクラスに凱旋した。この内の一人が、今も大変お世話になっている如月双葉嬢(リーブル語録参照)である。思えば長い付き合いだ。 ともかく、ルールは手に入れた。仲間もゲットした。 次に必要なのは……そう、「テーブルトークRPGがよくわかる本」にも書かれていた通り、シナリオだ! 基本ルールしか持っていない以上、背景世界も自分で考えなければならない。そんな問題にぶち当たったが、それは程なく解決した。当時、私達の間では「回しマンガ(一人一コマずつマンガを描いて仲間内で回し、話を続けていくもの。当然ストーリーにあまり脈絡はないが、慣れてくると少しずつまとまってくる)」というのが流行っており、その中の一つに魔法学園モノ(あえてジャンルをつけるならそうなるだろう)があったので、それに出てくるキャラクターを作り、その世界で遊ぶことにしたのだ。これが「よくわかる本」に載ってたプレロールドってやつだな、などと一人納得。 進学先が決まっていた二人には、早速日曜日に集まってもらうことにし、私は授業中に背景世界やキャラクターの設定を煮詰める作業に没頭した。近頃の本作りではあまり味わえずにいた充実感に、時間は飛ぶように過ぎ、気づけばあっという間に放課後である。 就職準備のために今週一杯で終えることになっていたバイトの間も、シナリオを考えながらレジを打ち、徹夜でキャラクターを作っては授業中に睡眠をとり……と作業に没頭すること数日。 そして金曜日の夜になり、私は重大な事実に気づいた。 ……ダイスを買っていない。 これではプレイが出来ないじゃないか! 盲点だった。GURPSはキャラクター作成にダイスを使わないゲームである。私はキャラクター作りやシナリオに気をかけるあまり、プレイ中に一番大切なものをすっかり忘れていたのである。 しかし、ダイスなどどこに売っているんだろう? 随分昔に100面ダイスを見せてくれた友達には某模型屋にあるよ、と言われていたが、そんなところまで行く暇はない。なんたって遠いのである。 仕方なく、私は翌日、ダイスを求めて旅に出ることにしたのであった。 |
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